国語教材の引き合わせで、最も時間がかかるのが漢文。
チェックポイントが多く、旧漢字、正字の知識も必要ですので、文字照合としては難度の高い仕事になります。
見落としが生じやすいので、細心の注意を払いましょう。
校正の定石である作業の細分化をここでも行います。
1.「白文」と熟語を示す「-」を照合
2.ルビと送りがなを照合
3.返り点を照合
以上、三つの観点で、念入りに文字校正するのがおすすめです。
2と3のチェック時、再度必然的に1が視界に入るため、見落としが生じにくくなります。
意識しておきたい頻出の誤植
- 「ニ(カタカナ)」が「二(漢数字)」になっている。
- 「-(ハイフン)」がヌケている。
- 「ラ」→「フ」など、似た形の別の文字になっている。
- 「」→「レ」など、漢数字がヌケている。
- ルビが現代仮名遣いになっている。(誤植というより原稿のミス)
- ルビの拗音・促音がナミになっていない。
- 送りがなの頭位置がそろっていない。
忘れずにチェック・統一しておきたい箇所
- 「送りがな」が長いものには、平体をかけているか。(ナミで統一する場合もあり。編集の指示に従う)
- 漢字間が無意味に広く or 狭くなっている箇所がないか。
- 書き下し文の読点は、原文に厳密にそろえる or 文脈が不自然なところはトルの2パターンある。指示書か他ページを参照して統一する。
- 原文の漢字は、ヒゲ※あり、ヒゲなしのいずれかに統一する。(原則的にヒゲありで、一部ヒゲなしというパターンもあるので、編集の指示に従う)
※ ヒゲ・・・漢字文化資料館を参照。
最後に、レイアウトの崩れや級数のミスなどを、やや俯瞰してチェックします。