ママでOK?

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頭一つ抜きん出た校正者になるためにしておきたい仕事

学参の国語に関していえば、校正者から執筆者への道のりは驚くほど短い。手前の角を曲がればすぐそこである。

一般書籍などの校正ではご法度とされているらしいリライトも、(著者原稿を除けば)諸手を広げてウェルカム! がデフォルトだから、執筆センスのある校正者が腕をふるえば、編集者の目が節穴でない限り、遠からず声がかかるという寸法だ。

なにしろ、学参の執筆者は往々にして不足しがちである。
しょっちゅう編集者泣かせの原稿を上げてくるのに、ほかに人材がいないため、切るに切れないという事情を抱えていたりもする。

小説の校正をやりつつ、小説家デビューを果たすのはほとんど夢物語だとしても、執筆の様式がほぼ定型化している学参なら、みっちり半年も付き合えば、中学の教科書準拠ワークくらいは、見よう見まねで書けるようになる可能性が高い。
設問もパターン化していることが多いため、スタンダードなものなら、すぐに作問できるようになるだろう。

フリーなら、校正にとどまっているのはもったいない。
校正料よりも執筆料のほうが格段に高く、編集者からの扱いも上だし、何といっても執筆者の立場を体感できるという点で価値がある。
そこで得た理解は、校正職に翻ったとき、執筆者の労力と才能を洞察する力、場合によっては怠慢を看破する目となって役立つはずだ。

利点はそれだけではない。
たまには朱入れされる側になって、冷たい汗をたっぷりかいておくほうがいいのだ。
人の揚げ足ばかり取っている校正者にとっては、何よりの薬になる。