ママでOK?

ママでOK?

国語教材制作(主に校正)の現役プロ・プロを目指す人のための仕事ナビ。実務の作法から求人まで惜しみなく情報提供しています。

「平体」「長体」とは

《参考サイト》
文字に長体・平体を設定する方法 (InDesign CC) - Adobe

Wordの機能にもあるように、収めたい幅や長さから文字列が溢れてしまう場合に使われます。
縦書きが大半の国語では、平体のほうが圧倒的に使用率が高いでしょう。
校正の場では、「平体かける」「長体かける」と指示します。

平体(長体)をやめてナミにしたいときは、「ナミ」または「平体(長体)トル」。
(正式な校正用語ではないかもしれませんが)かけすぎた平体・長体の度合いを弱めたいときは、「平体ゆるめる」、逆に度合いを強めたいときは、「平体強める」などと書いておけば通じます。

以下は、平体をかけた例です。
訓点の「やメヨト」「もとムルヲ」に注目してください。
親文字に対してルビが長いときは、このように平体をかけることがよくあります。

f:id:mamadeok:20181020104806j:plain

ときには平体をかけてもなお、次の親文字にかかってしまうような長い訓点をもつものもあります。
この場合の編集の対処法としては、以下のような例があります。

  1. さらに平体をかける(かけすぎると読みにくくなるので注意)
  2. 親文字のレイアウトが等間隔のときは、訓点を2行にする
  3. 等間隔でないもののときは、次の親文字の位置を下げる
  4. ママOK(次の親文字にかかっていても気にしない)

校正者が調整する際は、必ず全体からルールを読み取ったうえで行います。
確信が持てない場合は、疑問出しにとどめるようにしてください。

漢文以外では、長い設問文やワークの単元タイトルなどにも、しばしば平体が用いられますが、文やレイアウトの変更等により、ナミでOKあるいは平体をゆるめてOKとなったにもかかわらず、もとの割合で平体がかかったままになっていることがあります。
校正の際は目を配るようにしましょう。