次は、国語教材によく見られる「揺れのある設問文」を模して作ったものです。
あとの見本文体にならって、揺れを修正してください。
次の(1)・(2)の□にそれぞれ共通する漢字一字を入れ、慣用句を完成させなさい。 (1) □につく □が高い □にかける (2) □を売る □が立つ □がきく |
見本文体
- 傍線①「○○」とあるが、このときの心情として適当なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい。
- 空欄Aに入る語句を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。
- 次の文の中から敬語が正しく使われているものをすべて選び、記号で答えなさい。
- 傍線②「○○」が指す内容を本文中から二十二字で抜き出し、初めと終わりの五字を答えなさい。
- 傍線③「○○」とあるが、筆者がこのように考える根拠を本文中の言葉を用いて三十五字以内で答えなさい。
- 次の①・②の対義語をそれぞれ二字で答えなさい。
頭の中で修正するのではなく、必ず紙に書いてみてください。
<修正例>
次の(1)・(2)の慣用句の空欄に共通して入る漢字をそれぞれ一字で答えなさい。
<解説>
「空欄Aに入る語句を次の中から一つ選び、記号で答えなさい。」「次の①・②の対義語をそれぞれ二字で答えなさい。」の二文を参考にします。
<NGの例>
× □を「空欄」に直していない。
×「慣用句」が抜けている。(入れないと何の問いかわからない)
×「共通して」が抜けている。(見本文体にはないが必須。これを落とさないのがプロ!)
×「入る」が「あてはまる」などになっている。
× 語順が「一字でそれぞれ」になっている。
×「答えなさい」が「書きなさい」になっている。
設問文には教材ごとに定められた型があり、勝手な文体で書くことはできません。
語順や読点の位置、助詞、文末表現など、いずれも見本に揃えるのが鉄則です。
執筆者は見本文体を確認して、それにならって書くようにします。
一方で、初校以降を担当する校正者は、原稿整理ですでに揺れは処理されているという前提があるからか、見本なしで作業することが多いのではないでしょうか。
見本を編集者に求めてもよいのですが、揺れが少ない場合は、教材内の文体を参照したほうが早いでしょう。
特に、この例題のように複数の定型を寄せ集めた文体なら、自分で揃えてしまったほうが面倒がないと思います。こういう複合型は、見本に載っているとは限りません。
自信がなければ、赤ペンではなく鉛筆で修正しておけばOKです。