→ 文章校正ツール
公正を期すため、前回と同じ文章で試してみます。
さて、今度はどうでしょうか。
結果
指摘内容 | 対象語句 | 言い換え候補 | 該当数 |
---|---|---|---|
用字 | 排気ガス | (排ガス、排出ガスに言い換え) | 1 |
コンピュータ | コンピューター | 1 | |
散りばめ | ちりばめ | 1 | |
助詞不足の可能性あり | 一早く | --- | 1 |
これわ・・・。
前回の日本語文章公正ツールと変わり映えしませんね。
あ、指摘内容の「可能性」の使い方が間違えている。
という上3行のいい加減な日本語を放り込んで、今一度試してみましょう。
結果
指摘内容 | 対象語句 | 言い換え候補 | 該当数 |
---|
問題なし、らしいです。
ちなみに人間が校正するとこうなります。 (赤字が修正箇所)
これは・・・。 前回の日本語文章校正ツールと代わり映えしません(変わりません)ね。 あ、指摘内容の「可能性」の使い方が間違っている。 |
「可能性」という表現は、「この事件は他殺の可能性がある」などという風に、「確率」の意味で、刑事ドラマやニュースなどで頻繁に用いられていますが、正しくは「実現する見込み」を意味する言葉ですから、既に起こったことや、実現を望まない(ネガティブな)事柄に対して用いるのは、適切ではないと思います。
それをいうなら、「蓋然性」ではないかと。
ただ、あまり馴染みのない言葉なので、普段遣いには向きませんね。
校正の際は、「おそれ」「危険性」「確率が高い」のいずれかに言い換えるとうまく収まることがあります。
例:熊に襲われる可能性がある。→熊に襲われる危険性がある。
大雨になる可能性がある。 →大雨になるおそれがある。
失敗する可能性が大きい。→失敗する確率が高い。
※ほかの言い換え表現を探すなら、可能性の同義語 - 類語辞典(シソーラス)でどうぞ。
さて、ものはついでと、可能性と蓋然性の違いについて、今ネットで調べてみたら、自分の認識と異なっている模様。
不適切とする理由が、「既に起こったことや、実現を望まない(ネガティブな)事柄に対して用い」ていることではなく、possibilityとprobabilityを混同していて云々ということでした。
残念ながら、英語に疎いため全くピンとこず、別に日本語オタクでもないので、あんまり学者然とした説明をされると、読むのが面倒。今北産業。
そもそも「可能性」はゼロか100だから、「大きい―小さい/高い―低い」などという表現もおかしいとか。いや、どんな場合にも「可能性」は存在するから、「ない」ということはありえないとか。
かの夏目漱石は「私がこの教壇の上で逆立ちをする可能性はあるが、蓋然性はない」と、双方の違いを一文で簡明に表現したとかなんとかかんとか。
自分の頭が弱いせいかもしれませんが、それを知ったところで、目の前にある誤用の「可能性」を、一般的で違和感のない表現に書き直す手がかりとしては、ほとんど用を成さない気がします。
単純に「見込み」と言い換えて違和感のあるものは、「可能性」とはいえないという判断で、NGを出し続けているのですが、それじゃダメなんでしょうかね。
「熊に襲われる見込みがある」なんていう言い方、おかしいでしょ。
もういっそ、probabilityにあたる新語をつくってしまえばいいのに。
一般に馴染みやすくて、「○○性」の形のものを。
社会的影響力の大きい方、どうかひとつ。
こんなタイトルつけるから、どぶろっくが脳内エンドレス。