ママでOK?

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単調な校正中、人は皆旅に出る

同業の衆は、皆、張子の虎よろしゅう頷くに違いないの。

先輩が伝授してくれた方法に、「原稿は全部プリントア ウトして、1文字確認するごとに鉛筆でペケをつける」というのがありましたが、この方法だと、途中でふわ~と意識が原稿からそれていき、夕食のミソ汁の具 材のこととか全く関係ないことを考えてしまい、書面に焦点が合わなくなり、いつの間にか手が自動的にペケを打ってしまうのです。

あれは大学模試じゃったかのう。たしか初校じゃった。
まあ、たまげたの。
静かに引き合わせをしておったら、突然サンバが鳴り響いたんじゃ。ほほ。頭の中にじゃよ。
マツケンとかいう男前がキンキラキンに踊って、オレオレ言うて、ちぃっとも止まる気配がない。
ミスをしたら大目玉を食らう大事な仕事じゃ。
なんべん落ち着きを取り戻そうと試みたかしれん。じゃが、頭の中のマツケンは疲れを知らん。
言うて聞かしても、馬の耳に念仏暖簾に腕押し糠に釘蛙の面に水豆腐に鎹。どうにもならん。
じゃがわしは、見事無事にやり遂げた。うほほ。腕利きじゃからの!
原稿と組版が完璧なら1つも取りこぼしはせんぞ。