ママでOK?

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書籍校正者に倣う! ファクトチェックの実例

「ファクトチェック」は「事実確認」ともいいます。
書かれている内容に誤りがないことを確かめる作業、刑事ドラマで言うところの裏取り捜査です。

国語教材でファクトチェックが必要とされるのは、主に筆者のプロフィール、文学史
年号や固有名詞の確認が大半で、ほとんどの場合が教科書およびその周辺教材で調べるだけですむため、その作業は比較的楽です。

しかし、それゆえに国語教材に掲載されていない内容に関しては、それがチェックを要するファクトであることにそもそも気づけず、校正する全員がスルーしてしまうという恐ろしい落とし穴になることもあります。

以下は、書籍校正の実例に触れられるサイトです。
観点や疑問出しの表現など大いに参考になります。

※この記事は校正教室用に書いていたものなので、時事ネタとしては古いです。

本文の中略はダメ?

国語の読解問題には、本文がつきものですね。
中学生用のテストでは、800字前後のものが多いでしょうか。
これの元になる文章は、「素材」「素材文」などと呼ばれます。

教科書準拠ものでない場合は、編集者や執筆者などが、自力で探し出してくることになるのですが、著作権をクリアしやすく、また使用料が安く、そのときの編集方針に合ったものを800字程度で上手くトリミングできるものは、決して多くありません。

長い時間をかけてようやくマッチした作品を発見! と思ったら、肝心な部分の手前までしか入らないことが判明してやむなく断念といった例も多々あります。

こういうとき「中略」を使うと便利だと思いませんか。

ところが、国語教材の大原則は「原典どおりであること」なので、滅多なことでは中略は許容しないのです。
どんなに便利でも、筆者と編集の両方でOKが出されていない限りは略せません。

「筆者」と「作者」を使い分ける

小学教材でも確かそうだったような気がするのですが(すみません。記憶が曖昧です)、中・高では使い分けるのが一般的です。

《参考記事》
おぬし何者じゃ

「筆者」を「作者」としてしまっているゲラをよく見かけます。
解説内でよく見られるミスです。
内容に気を取られているとスルーしやすいので、意識しておきましょう。